第六話「目指せ!山の彼方へ」

ヒヲウ戦記六話より。

僕が未だガキんちょの頃は、四駆車ブームの真っ最中だった・・・と言って良いのかドォかは解らない程度に曖昧でウロオボエながらの発言なんだけれど、1970年代辺りにおけるジープブームの余韻や、未舗装路が未だ一部の人々の見解っから言わせる所の「充実」していた環境が残っていた田舎住まいだったからって事もあったんだろーけど、少なくとも昨今より、三菱ジープトヨタ・ランドクルーザーといった、今日日の総合的走破性能に優れた四駆車では無く、悪路重視的走破性能に優れた四駆車が多く見られ、それらが多くの人々にとっては一括りに「ジープ」と呼ばれる反面、そんじゃそこらに にわか大塚康生的なジープマニアのオッサンやお兄さんが恰も雨後の竹の子が如くにワンサカと湧き出ていた頃合いでもありまして、うっかり彼等の前で「あ、ジープだ」なんて発言しようものなら、鼻で笑われた挙げ句、にわかマニアっぷり極まるる、目から耳から得た知識を何のフィルターも通さず口から放出するが如しの解説をしてくれたものでした。
さて、そんな四駆車=ジープ といった時代、僕が最も傾倒していたのがジープそのものでは無く、その車体にオプションとして装備されている事がチラホラ見られた「ウインチ」でした。
その普段、舗装路を走っている分には全然実用的で無ぇのにも関わらず、スタック*1したり脱輪した時に・・・いやさ、敢えて言い換えるのならば大ピンチな時にのみ、その能力を全力発揮するという、事前準備可能的火事場の馬鹿力アイテム感とゆーか、「普段は何の役にも立てない駄目駄目っ子が実はスゲェ能力を持っていて皆のピンチを救う」とゆー、漫画やアニメでアリガチだったり、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督CUBE」で見られる様なキャラクター造形にも似た、秘められた力が故のカッチョ良さがウインチにはあるのだと、そんなん思わされる次第ですわ。



さて、ヒヲウ戦記六話ですが、そんなウインチ野郎のウインチマニアによるウィンチェスターの為の1話に御座いまして、ソレ即ち西部劇大好きっ子が故にレバーアクションライフル傾倒趣向に陥るとゆー・・・アレ?
閑話休題
何はともあれ、ヒヲウ六話はウインチ回なのでして、車輪の駆動だけでは登り切れぬ斜面をロープの張力へと加重を預け、その分散した重量を変換、前進の力にしていく、そんな1話だったりするんです。
ウインチ野郎ならずとも是非。


脚本:五武冬史
絵コンテ:赤根和樹
演出:渡邊哲哉
作画監督小森高博


機巧奇傳ヒヲウ戦記 DVD-BOX(上)

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*1:タイヤが雪や砂や泥に埋まって、前にも後ろにも動けなくなる状態の事ね、一応。