スコペロ

「スコペロ」1巻より。



「説明しよう!」


とはヤッターマンのナレーションにおいて、旧版においては故・富山敬が、現行版においては山寺宏一が登場メカの仕組み解説に入る際の掛詞である。
その際には主にメカの断面図や図解が挿入される事によって、「結局根本的にソレをキチンと理解出来るか?」と言われれば結構適当で曖昧な部分も多いのだけれども、だが、然し、その「説明しよう!」が入ることにより生じる「説得力」そして『こんな1話限りにしか出てこないメカの内側まで考え込んでいるんだ!』と、コドモゴコロを胸躍らせる細部ディテールにまで及んだ作り手の拘りが垣間見える事によって、


「なんだか冷静に考えたらチョット無理ある様な気がしないでも無い解説だったり図解だったりするけど、
 ンな事ぁ兎も角、カッチョイイから気にならないゼ!!」



と、全てにおいてカッチョイイ最優先なガキんちょ脳であるが故の説得力パワーが有ったわなーと、そんなん思うんですは。
例えば、マジンガーZ EDにおける断面図なんか、ソレの最たるものですわな。



さて、BGMに水木一郎アニキのこれまたカッチョイイ楽曲が流れているであろー最中、本日紹介しよーとするのはカサハラテツロー著「スコペロ」に御座います。

スコペロ2 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

スコペロ2 (MFコミックス フラッパーシリーズ)



まぁ、コレが、なんとも当年とって30歳になりますこの駄文の書き手におけるアニメだの漫画だのゲームだので地味に蓄積された「スペースコロニー知識」まんまを移植したかの様な主人公、有原文平(ありはら ぶんぺい)が実際にスペースコロニーへ移住した際における勝手な思い込みやらカンチガイやらによって発生する失敗と、それによってこれまた発生する「説明しよう!」的な図解解説とが、流石にヤッターマンを見ていた時の「カッチョイイから!」ってのと同列に扱うのとは違うんだけれども、少年向け科学誌でデビューし、「科学冒険漫画」を描いてきたカサハラテツローが故の図解によって、キチンと知識的に丸め込まれて納得させられる感覚がなんとも気持ち良い塩梅なのよ、コレが。
幼少期、「こども図鑑」が大好きだった様なオトナにゃー、是非ともオススメ。