メタルファイト ベイブレード 1話『舞い降りた天馬(ペガシス)!』

銀河(左)とケンタ(右)

一人の男が右手から肩越しにダッフルバッグを担ぎ、歩いてくる。
それだけで誰がドォ見ても『風来坊』と認証させられるのは何故かしらん? 等と疑問に思うまでもない、我々日本人の場合、「ギターを持った渡り鳥」だの「矢吹丈」だのといった昭和ヒーロー像におけるその姿、印象、雰囲気に憧れた世代が成長し、大人になって再度、風来坊ヒーローを世に放つ事を繰り返して来た事により、ソレを本能的に知っているのであって、例え日本人で無くとも「ジョン・ランボー」が右肩にバッグを担ぎ歩いてきたとゆー1カットだけで、そいつがどういうキャラクターであるのか? なんて説明は既に済んでいるのと同じなのである。


さて、メタルファイト ベイブレードにおける主人公、「鋼 銀河(ハガネ ギンガ)」は風来坊である。
風来坊であるからにして、屋根だの布団だのがあろうと無かろうと一人で喰って寝ていける類の人間である。
そして、1話の時点でベイバトルにも強く、持論もあり、迷いが無い。
既に「出来上がっている」タイプのキャラクターだ。
視聴者が見ていて、共感が沸くタイプでは無い。
反面、登場人物の「湯宮ケンタ(ユミヤ ケンタ)」は*1至って普通にベイブレードが大好きなオトコノコであり、メイン視聴者である所の玩具を買ってくれるガキンチョ達と同じ立場である。
ケンタはとある事から銀河に助けられ、彼に尊敬と憧れと友情とがごちゃ混ぜされた様な感情を抱く。


銀河とケンタ少年との関係は例えば、
渡り鳥シリーズにおける滝伸次こと小林旭と映画を見ている視聴者との関係であり、
矢吹丈とドヤ街のチビ共の関係であり、
仮面ライダー響鬼と安達明日夢*2の関係であり、
ジョン・ランボーとトラウトマン大佐の関係・・・とはチョット違うか。


メタルファイト ベイブレード」1話においては概ね、このケンタ少年の主観と妄想とモノローグで構成されていて、その「語り部」という立場においては銀河よりもよっぽど主人公らしいとも言える。
1話における彼のモノローグで、


『この時、未だ僕は知らなかった。
 本物の、ブレーダーの闘いを・・・!』



とあり、彼が今後ただの傍観者か、ハタマタは本物のブレーダーになっていくのかは予め決まっている展開だの脚本家の気分だの現場のノリだのといった確定不確定要素満載だとしても、1人のオッサン視聴者としては湯宮ケンタの成長を描く物語であってくれたら嬉しいんだけどなぁ・・・。
とかそんなん思わされた1話でしたはー。

*1:その容姿がちっちゃいオトコノコ好きなお姉さんやお兄さんにとって辛抱たまらん状態を発生させるであろう事を除けば

*2:前半部分