広井てつおについて。

「西大寺ぶるうす」より。

唐突ながら「Mr.Bike」というバイク誌が如何に特殊であるかという例を挙げると、来年の新型車だのモデルチェンジだのが発表され、他誌がそれらをガッツリ特集しているこの時期に、巻頭特集記事が過去30年間の東京モーターショーにおけるコンセプトモデル*1 123台をカラー12ページで一挙掲載!! 対して前述した新型だのモデルチェンジだのは白黒4ページでサラっと必要最低限気味に掲載だとか、文字が中心の記事だのコラムだのにしたって、都心のバイク駐車取締に対し、バイク駐車場の供給が少なすぎるアレコレに関したモノだったり、ほぼ毎号掲載されている高知白バイ事件に対する言及記事だったり、他にも交通事故裁判の記事だの、実例の事故とそれによって算出された保険金額の記事だったりとか、オタク的に面白い所だと、とあるライターがスズキのB−KINGを自腹購入、外装を機甲創世記モスピーダに登場するアーマーサイクルプロトタイプバージョン*2にしてしまおーとゆー、絶対ソレを記事にして得る収入よりか、制作する事での出費の方が上回っている事確実なプロジェクト*3だとか、過去にはアニメに登場するバイクをピックアップ、ウチが憶えている所だと、フタコイ・オルタナティブに出てくる「玄さんのスーパーカブ*4」だの、リーンの翼に出てくる「エイサップ・スズキのモンキー改」だのとアクマでアニメに登場するバイクにのみ焦点を定め、紹介、分析、解説するといったものがあったりしましたんですが、・・・っちゅー話は放っとくと何処までも続きそーなので、そこそこにしておきまして話を戻しますと、他のバイク誌が車体やパーツ、バイク関連用品の紹介といった記事が多いのに対し、「Mr.Bike」はバイクに乗り続ける事だったりとか、バイクと共にある日常、ハタマタはバイクが故のトラブルだとかいった、変な言い方かもしれないけど生活感のあるバイク誌ってー感じなんですは。


さて、そんな「Mr.Bike」に時々漫画が載っていたり載っていなかったりした広井てつおが逝去されたと、書いてあった。
広井てつおのバイク漫画「西大寺ぶるうす」は連載誌がその「Mr.Bike」であったからこそか、氏の地元、岡山県西大寺市での日常を氏の視点で淡々と描いたもので、そのストーリーは特に盛り上がるものでもなく、特にドラマチックな事も無かったのだが、『もう氏の新作は読めないのだな』と実感した上で、氏のサイトに掲載されているソレを読み返しちゃったりなんかして、その改めて淡々とした特にドラマがある訳でもない日常を描いたもので、目頭がジワジワしてきちゃったりしてね。
広井てつおは、決して売れたとか人気だとか知名度だとか、そーいったものに恵まれた漫画家とは言えないだろうケド、でも、少なくともウチ自身の記憶に残る作品を残してくれた人だと、そう思わされましたは。



広井てつおHP(「作品紹介」っから幾つか漫画読めますんで是非。)
http://www1.ocn.ne.jp/~tet03/

*1:例えば、こんなのとか、そんなのとか、あんなのとか。

*2:「アーマー」としての変形はしないっちゅー意味での「プロトタイプ」なんだそーだ

*3:http://www.bbb-bike.com/mospeada/index.html

*4:ターボチャージャー搭載