第7シリーズ 25話「メカ電ボ発進」
脚本:伊丹あき
絵コンテ:たかばやしひさや
演出:小野勝己*1
作画監督:前田一雪
「メカ電ボ」とはトミー爺が長年の研究の成果の末、遂に完成させた虫型ロボットである。
地平線の向こう*2から陽炎とターミネーター風BGM*3と共にやってきたかと思えば、月光町の人々の前に無言で現れ、無言のまま人助けをして去っていくのである。
メカ電ボの動きには、首を対象物の方向へ傾ける→体をそちらに向ける。といった、ロボコップ風とも、ショベルカーやブルトーザーといった建機風*4ともとれる一カ所ずつしか動かさない動作が見られ、ソコには「油圧」が感じられる意味での「機械」的な動かし方を見せてくれ、更にその一動作毎に専用のSEが付いてくる事で、重くて硬い「メカ」であり、ソレが強大な力である事を強調している。
操縦者は電ボこと、電ボ三十郎。
電ボというキャラクターは、そのおじゃる丸の従者という立場からか、おじゃる丸のみならず、おじゃる丸が居候している田村家や、住んでいる月光町全ての人に対して「お役に立ちたい」と思っているのだけれども、如何せん虫であるからしてその人間とのサイズの違いがあり、人間の手伝いをしているのだけど結局あまり役に立っていないという描写がシリーズ中多々ある。
然し、それでも電ボは「お手伝い」を諦めたり止めたりする事は無かった。
例えば、それまで普通の人生を送っていた人が、超人的な能力だの巨大ロボットだのを手に入れ、その力の使い道を誤ったり、葛藤したりといった展開は特撮ヒーローだのロボットアニメだのでアリガチだけれども、反面、この回で電ボは望むべくして手に入れた力とその使い道を示している。
単発で見るとゲラゲラ笑えて見る事が出来るギャグ回なのだけれども、電ボというキャラクターをどれだけ見てきているかによっては、思わず目頭から熱いモノがこぼれ落ちる人もいるのでは無いだろうか?
ラスト、歩き疲れ、路上で寝っ転がり「カズマは何処じゃ〜!!」と泣き叫ぶ おじゃる丸を発見、何も言わず「おぶって」坂田マンションへと帰っていくメカ電ボの姿を見つつ、そんなん思わされましたさ。