みぞれの教室

「みぞれの教室」より。

十代男子の誰もがこういった青春を求めていたにも拘わらず、現実はアタリマエに現実的で、物語の様にはならないまま、1秒に1秒ずつ、1分に1分ずつ、やっぱりアタリマエに時間が経過してゆき、気付けば高校を卒業していたり、ハタチになっていたり、三十路一歩手前になっていたりするのだろう、と。
そんな事を「童貞の心を、いまだ忘れていない大人」*1的に思わされた次第にありますさ。

みぞれの教室 (ドラゴンコミックス)

みぞれの教室 (ドラゴンコミックス)



シンプルで線の少ない、人によってはラフに感じるかもしれない絵柄と、時折挿入される実写取り込み。
主人公主観の物語ながら、サブキャラクター、特に女の子の心情を台詞でなく、ちょっとした仕草だったり、表情を敢えて見せない事で読み手にだけ気付かせる、そーいった描写がスゲェ良い塩梅ですよん。
1冊完結の青臭い春をお求めでしたら是非にと。

*1:このコミックの帯における装丁デザイナー、関善之氏のコメントです。