東方機神傳承譚ボロブドゥール
何方か・・・誰か・・・コミックバウンドを覚えていますでしょうか?
その、余りにも短命に終わった漫画誌が故に、雑誌名自体には聞き覚えがあっても
「誰が連載していてどんな漫画が載っていたか?」
なんて事を覚えている人は極々少数派なんだろうなぁと思います。
正直、ウチ自信、漫☆画太郎先生の「虐殺! ハートフルカンパニー」だけうっすら覚えていた程度だったですし。
さて、そんなバウンドに連載されていた作品にこんなのがありまして。
- 作者: 太田垣康男
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2004/05/28
- メディア: コミック
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それ迄ウチが、この「東方機神傳承譚ボロブドゥール」の作者太田垣康男作品で読んだことがあるものと言えば、「ムーンライトマイル」と「一生!」だけだったんですが、その太田垣作品に対する評価はとゆーと、
「青年誌の連載がメインなだけあって、どちらかと言えばオッサン向け感のある内容ながら、現在の少年漫画が忘れかけている様な『熱いモノ』を、それも熱いと言うよりも『熱っ苦しい』と言った方が的確かと思う程の物語と作画を描ける漫画家」
ってな感じなんですが、その熱っ苦しい漫画家が熱っ苦しさそのままに独特な、独特過ぎるロボット漫画なんぞを書いたりしていたのだからソレを見つけた時にゃー、その予想外っぷりに今読んでいる本の作者名をもう一度確認しちゃったりしたモンですはと。
さて、物語の主となるのは、機械の骨格に、人間を溶かしてどろどろにした液体を流し込み、その人間液体を固めて造られた人型巨大兵器、機神。
全体的な世界観や、その機神自体もインドネシア辺りの神仏や宗教を思わせるデザインなんだけど、ソレが例えるならばみうらじゅん曰く、
「仏像はウルトラマンや巨大ロボットみたいでカッコイイ」*1
みたいな事を言っていたケド、その感を石ノ森章太郎作品に対するS.I.C.シリーズの様に、世間一般的な視点よりも遙かにカッチョ良すぎる解釈で捉え、誇大美化されたインドネシア・・・主にバリ島辺りでチラホラ見かける類の神仏像がコレなんじゃないかと、その機神のビジュアルデザインに対して感じる物がありまして、ソレが何ともクドくて濃ゆくて私的に良い塩梅なんですは。
ってな訳で取りあえず、万人に読まれる類の作品じゃ無いかもしんないケド、わざわざココ迄読んでいる物好きな方だったら古本屋で見かけたら手に取ってみるのが一興かと。
*1:うろ覚えなんで正確にこー言っていたかどーかは微妙です。