スカワラさん。

ラーメンを喰うとスゲェ勢いで汗をかく。
ラーメンだったらまだしも、ソレが担々麺だったりするとそりゃあモォ、その滂沱たる汗の量は恰もトニオ・トラサルディーの料理を喰べた虹村億泰の如くにダクダクでダラダラな有様なのである。


然し、汗だけならまだしも、鼻水も出る。出やがる。
ウチが中学生位の時だったろうか。
それ迄のウチは熱い物を熱い内にハフハフウマウマと喰らっても鼻水が出てくる事なんぞ皆無だったものだが、何故それが起こる様になったかという原因は皆目検討皆無な事ながら、中学生だったある時期を境に、熱い物を熱い内にウマウマハフハフと喰らうと、漏れなくズビズビダラダラと鼻水が垂れて来る様になってしまったのである。
故に、ズルズルと麺を啜ると同時にズルズルと鼻汁も啜る羽目になるのである。
そんなんだからにして、つい、うっかり喉元でタンと麺とが絡み合って出来るならば味わいたく無ぇ事この上無いハーモニーを醸し出してしまう状況を回避しつつ、食さねばならぬのだ。
でも、だからと言って、ラーメン屋という公共の場で他の客やら店主やらが居るにも関わらずズビズバブーと鼻水を鼻紙に放出し、周囲の人間に嫌悪感の高い音響効果を与えるという事は一応、社会人として出来るだけ避けたい行為であると思う。
それでも、だからと言って、鼻を咬む音量を控えるために、鼻から発する空気的圧力を最大出力の30%以下に絞りズズズズと中途半端な音を立てて鼻を咬むのも如何せん女々しい感じがして気に喰わ無ぇ事この上ない。
更にだからと言って、赤塚不二夫キャラの様に鼻汁垂れ流し状態で麺を啜るというのも愚行だと感じるるのである。


そんな訳で今日も今日とて、結局は世間体若しくは公共性に屈し、スピスピプーと中途半端な音でラーメンを食しつつ鼻を咬むのである。