夕凪の街桜の国

「夕凪の街 桜の国」カバー裏

2004年の年末〜2005年春頃にかけた辺りの時期、
やたら何処ぞ彼処のブログやら何やらな要はネットにおける口コミ的漫画紹介において
吾妻ひでおの「失踪日記」と併せてコレが紹介されていた覚えがありますやね。

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)



で、それから約2年。
ようやっと当時そのブログやら何やらの漫画紹介の影響で「夕凪〜」を購入した輩が揃いも揃って新古書店に売り出したのかどーかは知らないケド、
ブックオフの100円コーナーにて同書をば発見しましたんで未読だった事もあって即捕獲。


んで、まぁ、その2年前当時あーだこーだと其方此方で紹介文書かれていただけあってこうの史代独特の細く柔らかい絵柄ながら濃密なスクリーントーンを用いない作画と、読者が高齢だろうと二十歳そこそこだろーと確実に読めるであろう構成が、


「あー、そりゃ騒がれるわ コレ」


と、案外冷静にウチ個人としては作品にのめり込まないで読めた感じだったんですが*1、一通り読み終わった後の漫画読みが確実にやるであろう儀式、
『カバーを外して内側の表紙を確認してみる』をやって驚いた。


カバー下のイラストが近代日本において義務教育受けていれば確実に一度二度は目にするであろう切り絵作家、滝平次郎オマージュと言って間違いないであろう、切り絵作品だったのである。


しかし、驚いた部分は「切り絵だったから」とか「滝平次郎オマージュ」だのといった所では無い。
あれだけ散々四方八方で騒がれていた、それこそアフィリエイトブーム発端期の話題作であるにも拘わらず、当時、一度たりとてカバー裏に関する言及を読んだ覚えが無い事に、だ。
案外、ウチが思っているよりか、「漫画の楽しみ方」ってのは表面的な部分のみ捉えるのが普通なのかなぁと、そんなん思いました今日この頃です。

*1:私的にゃー、同作者の「街角花だより」とか「さんさん禄」的なもちっと日常感強めた作品の方が好みですは