Big Hearts

「Big Hearts」1巻より。

とても、物凄く、作者自身が自分の作品に対する「自信」を感じる台詞だな、と。
そう、右上画像の場面で思わされた。
何せ、それの存在そのもの自体が「漫画」なのにも拘わらず、


「漫画じゃねえんだからよ」


と、言い放っているのだから。


Big hearts 1 (モーニングKC)

Big hearts 1 (モーニングKC)

Big hearts 2 (モーニングKC)

Big hearts 2 (モーニングKC)

Big hearts 3―ジョーのいない時代に生まれて (モーニングKC)

Big hearts 3―ジョーのいない時代に生まれて (モーニングKC)



実際読んでみてその「自信」が「確信」であるかの様に感じる。


「漫画のボクシング」では無く、
「現実のボクシング」を切り抜きだした様な試合描写。


後楽園ホールの控え室から出て、リングに上がり、ゴングが鳴った事に気付く迄を主人公の視界と心臓の音しか聞こえない、過度の緊張により五感情報摂取量の狭まった世界の描写。


主人公が自分の部屋で鼻くそをほじくって、それをティッシュで拭き取り、ゴミ箱に投げて捨てるも外れてしまい、それを放置して寝てしまうといった描写。


目覚まし時計を止めるも二度寝、枕に顔を突っ込んだまま数秒*1の間を置いて布団をはね除ける様に起床といった描写。


それらにおいてアタカも隠しカメラで撮影されている映像を見ているが如く、「漫画的」よりも「リアリティ」を重視した描き方を選んでいる辺り*2、一人のボクサーの密着ドキュメントを見ている感もある「漫画」なのである。
読むんなら、20代30代の内に読んどけ。
なんか、なんとなく、40代になってからじゃー遅い気がするから個人的に。

*1:と、読んでいる分にはそう感じる

*2:最も、主人公の部屋の雑誌やらカップ麺の容器やらペットボトルやらが散らかった様は描くのがとても作業的にキツいらしく、最初の一回きりだったですがw