第九話「激闘!父ちゃんはどこだ」

仕事をしているのならば「手際」で己の成長を実感した事は誰にでもあると思う。
以前経験した事を正確に素早く、ハタマタは以前とは異なる事態に臨機応変を効かせて対処出来た際、


『お、なんか俺って成長してんじゃね?』


とか思っちゃったりするアレです。


さて、ヒヲウ戦記九話。
この回は「手際」を見せてくれるんですよ。
Aパート冒頭、山車で崖を渡る為の橋を作るんですが・・・







その橋の完成迄に約45秒。
コレがラピュタだったら5秒オーバーでパズーはドーラに置いてきぼりにされて即終了。
ドーラ達が飛んでいってしまった方向の空をただただボー然と眺めるパズーの背中を映しつつ、何処ぞの少年少女合唱団が『あのちーへいーせーんー♪』と歌い出しスタッフロールが流れ始める前代未聞の状況に陥るトコロですがっちゅー話は脱線気味なので閑話休題


この回より以前の6話でヒヲウ達は「橋造り」よりかは未だ視聴者視点的に簡単だと思える「峠越え」をしているんですが、その6話だと「峠越え」自体がエピソードの主題でもあって、物凄く苦戦します。
けれども、この9話冒頭では45秒で支度・・・じゃなくて橋造りを終え、渡っている最中に追っ手の忍者達に襲われるにも拘わらず、難なく渡り逃げ延びる。
更に、Bパート冒頭ではヒヲウがものの20秒で木彫りフクロウの彫刻を仕上げてしまう「手際」のシーンも。




さて、何故この回ではこれ程迄に「手際」を描写するのか?
サクっと自分なりの答えを言いますと、「パワーアップの回だから」なんですよね。
Bパートにおいてヒヲウ達は、そのパワーアップアイテムこと、エレキテルを発見し、炎*1に組み込みます。



サァサァ、お立ち合い。
「手際」を2度も見せつけた後に新装備による「パワーアップ」がされた訳だけれども、アニメでコレをやっているって意外とスゴい事なんじゃないかしらん? とか、私的に思いまして。
というのも「物語の進行上的必要に駆られて」だとか「劇中、ドラマチックにキャラクターが向上*2して」*3といったパワーアップはよくよく目の当たりにしますけど、『日々鍛練していたからであろう』と、視聴者が納得出来る「手際」を見せ、その現実的な向上があったからこそ目に見えて分かり易いパワーアップアイテムが与えられる。*4
その絵面に「第二段階目の仕事に移行させる」というコレ↓をなんとなしに連想させられたのよね。
http://d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20100402/1270134986


脚本:會川昇
絵コンテ&演出:森邦宏
作画監督神志那弘志


*1:主人公達の巨大カラクリロボットね。

*2:or成長or進化

*3:あと、作品によっては定期的に玩具を出し続ける事で商売を成立させなきゃいけないっちゅーのもあるけどねー。

*4:いや、勿論「物語の進行上的必要」なアイテムでもあるんだけれどもね